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ミニマルファブ
2013年1月3日更新

2013年1月3日更新(2012年11月26日制定)
「ミニマルファブの現状と将来展開」と銘打って、セミナーが開催されたので報告する。
【ミニマルファブの現状と将来展開】
〜超小型製造装置による最小の集積回路生産システム〜
日時:2012年11月22日(木)13時〜17時
場所:大阪科学技術センター
主催:(社)日本半導体ベンチャー協会・関西JASVA
内容:
ミニマルファブで一貫したセミナーを開くのは、日本で初めてとの事であった。日本で初めて=関西でも初めてであり、聴講者の質問を聞いていると、戸惑い?的な内容が多くあった。例えば「何故、メガファブを否定してミニマルファブにうつるのか?」と言った内容である。
ここでは、特に気になった点をあげる。
1.半導体デバイス産業の成熟期
  成熟期をデーターで示していた点である。
  1975年〜2010年迄の世界半導体出荷額から算出している。
  結果、飽和点は29兆円/年、今後の成長余力は3.8兆円と
  なっている。
  ⇒この様な見方があると関心
2.米国での稼働中の生産ライン
  米国の半導体生産ライン(190ライン)を調査した結果、
  0.5μm未満のラインは約90ライン、又、32nmラインはこの内
  の1部のみである。そして0.5μm以上のラインは約100ライン
  と非常に多くある。
  ⇒ミニマルファブは0.5μm以上を狙う
3.3日間で製品が出来るミニマルファブ
  1分/工程×600工程÷60分=10時間で1品種が出来るが
  余裕を見て、3日間製品を作る想定である。
  メガファブでは、30日間以上はかかる
  ⇒深堀エッチやめっき装置は1時間かかるが、プロセス時間を
   1分で出来る事にチャレンジしている。そこから、新たな技術
   が出来る
4.セミコンジャパンに出展、そしてミニマルファブでデバイス製造
  東京エレクトロンのブース前でミニマルファブは12小間のブース
  を構える。ミニマルファブ装置を並べ、そして生産する。
  是非見に来て欲しいとの事
5.生産ラインでの故障時
  対象装置の修理はしなくて、予備機を置き装置を交換する事を
  考えている。
  また、装置のメンテナンスは、横河フィールドエンジニアリング
  サービスが実施する。また、装置の立上も行う。
6.産総研でカンチレバーを試作
  産総研では、ミニマルファブを利用して、カンチレバーを試作し、
  プロセス条件を出している。ミニマルファブの主な使用工程は
  フォトリソであった。
  ミニマルファブで出来ない装置は代替装置を使用している。
7.後工程の開発
  ミニマルファブ3DICファブとして3次元デバイスのプロセス装置や
  ウエハテスターを開発している。
8.今回のセミナーを聞いて
 1)ミニマルファブは主にセットメーカーに販売を検討している。
   それであれば、ミニマルファブ、製品(例:カンチレバー)、
   プロセス、装置のレシピ、フィールドサービスをまとめて実施
   する事が出来ないか?と思った。
   ⇒セミナー後の交流会で、原氏、井上氏に聞くと、
     メンバーに入っている横河フィールドエンジニアリング
     サービス等、いろいろな会社が行いたいと手を上げている。
 2)全ての製品にミニマルファブで出来るとは、思わないが、
   1品種で数百個〜数千個のみのデバイスが多くあると思う。
   デバイスメーカーやファンドリーメーカーは、1からプロセスを
   作らないと駄目な為、この様な、デバイスを製造したがらない。
   ⇒新たなデバイスが出てくる可能性も有る。
 3)LSIの製造は何年もかかると思うが、まずはMEMSからになると
   思う。


2012年11月19日更新
2012年11月22日に、社団法人日本半導体ベンチャー協会・関西JASVA主催で、「ミニマルファブの現状と将来展開」のセミナーが開催される。ミニマルファブをまとめてセミナーを開催するのは関西初めて?のことである。
ミニマルファブは、2010年に産総研主体で研究会が発足された。
現在のミニマルファブは、次の通りである。
 1.0.5インチウエハを使用し、1チップを製造する。
 2.電源は、100Vで家庭用で可能
 3.装置は、30cm幅、価格は当初1,500万円程度、量産する
   将来は500万円と格安。
 4.装置は、通常の運送トラックを使える。
 5.外観は、完全統一規格。
 6.総投資は、一ライン5〜10億円を目安に検討している。
 7.生産能力は、例えば自動車が1分で1台出てくるとして、
   1分に1チップがミニマルファブラインから出てくる。
 8.LSIの製造時間は、通常2〜6ヵ月の所、3日以内で製造可能。
そして、ミニマルファブは、日本発の構想である。
ミニマルファブは、昨年のセミコンジャパン2011で一番話題のあったブースであった。
セミコンジャパン2011の状況は、「一個からLSIを作成可能Minimalファブシステム研究会」でも紹介されている。
「これからの日本の半導体はどうなるの?」の話をよく聞くが、今、一番、鼻息が洗いのは、ミニマルファブである。セミナーや展示会があれば、一度は、聞くべき内容である。
現在、「ミニマルファブ技術研究組合」が発足されている。

【ミニマルファブの開発を担当するミニマルファブ技術研究組合参画会社】

1.装置開発
 ■パターニング
  ウェット処理:(株)プレテック
  コーターデベロッパー:リソテックジャパン(株)
  マスクレス露光:(株)ピーエムティー
  マスクアライナー:(株)三明
  CMP:不二越機械工業(株)
 ■ウエハ加工
  集光型CVD炉:(株)米倉製作所/アイチシステム(株)/
            岡本硝子(株)/(独)産業技術総合研究所
  抵抗加熱型CVD炉:光洋サーモシステム(株)
  レーザー加熱炉:坂口電熱(株)
  プラズマ:(株)デザインネットワーク/(独)産業技術総合研究所
  イオン注入:フジ・インパック(株)/(独)産業技術総合研究所

2.装置構成部品・ウエハ開発
 ■ウエハ開発
  ウエハ(くり抜き):不二越機械工業(株)
  ウエハ(結晶成長):(独)産業技術総合研究所
 ■部品
  バルブ:(株)フジキン
  流量コントローラ:(株)堀場エステック
 ■搬送
  前室システム:(株)三明/タツモ(株)/アイチシステム(株)
  ウエハ搬送ロボット:タツモ(株)

3.ミニマルプロセスライン開発
 ■デバイス
  プロセス基礎開発:横河フィールドエンジニアリングサービス(株)/
              (独)産業技術総合研究所
 ■ファクトリー
  装置筐体:サンヨー(株)/(株)デザインネットワーク/
        (独)産業技術総合研究所
  EDAツール:(株)ロジックリサーチ/(株)ジーダット/TOOL(株)/
        (独)産業技術総合研究所
 ■ルーム
  モデルルーム:大成建設(株)/(独)産業技術総合研究所
 ■コア技術
  ミニマル局所クリーン化生産システム:(独)産業技術総合研究所
 ■ユーザー
  産総研コンソーシアム・ファブシステム研究会
  ミニマルファブ3DICファブ開発研究会(九州地区)

参考文献:ミニマルファブ技術研究組合ホームページ

以上は、ミニマルファブ技術研究組合参画企業であり、この他、組会未所属企業が産総研コンソーシアム・ファブシステム研究会において、幅広く関連開発を行っている。

12月5日〜7日に開催される、「セミコンジャパン2012」では、場所を12小間に拡張して展示をするそうだ。
ミニマルファブ」(小間番号:2Dー801)

謝辞:
今回の更新にあたり、アドバイスを頂いた産業技術総合研究所ファブシステム研究会の原氏に感謝いたします。

    
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